ひと

 

<伝える>ことは難しい、だからこそ、伝わったときの悦びの感触はやめられないものになるんだと思う。これはわたしの大学生活で、つくづく思ったことだった。ゼミの活動、日常的なコミュニケーション然り。相手に伝えたかったことが100%伝わっていなくとも、何かしらが響き、相手を揺さぶることって本当に難しい..。

 

 

わたしがなんで今の将来の夢を叶えたいのかなーって考えたんだけど、やっぱり、上記のことが常に頭にあるからな気がした。世の中には、システムを作りたいとか、官僚になりたいとかすごい夢を持っている人がいるんでしょうけれど、わたしはそういうのは興味がない。官僚になって人を揺さぶることができるかって言ったら、そうではないと思うし、商社マンになってパイナップル流通させて人を涙させることは、いささか想像しづらくて。

そう考えると、やりたいことってぐっと狭まる。日常のなかの出来事が、人との関わりでわたしたちは様々な感情を生み出すもの。その感情や思ったことって、わたしにとっては、何にも代え難いもの。その感情を凝縮したものって、わたしは出版物だと思っています..。こんなにも、人を揺さぶる可能性を秘めているものってないと思っている。本屋に行けば、何千、何万冊の本があって人々の思想や感情が紡がれているって考えただけれ、鳥肌が立ちそう!とてもロマンがある。(もちろん、映画も素敵だから好きなんだけれどね、映画は人に想像をさせないから、その意味で劣ってしまう。もちろん、それがいいところでもあるのだけれど。しかも、映画の前提には本や漫画がある。イマジネーションの根本はやはり書物にある..。)だから、わたしは書物に関わる仕事をしたいし、それを通して人に伝える仕事をしたいんだよな〜。

 

 

少し遅れて年賀状が来た。アルバイト先の後輩から。その子は女の子で、学年は二個下。とても人懐っこくて素直で、無邪気でかわいい。「住所教えて下さい!」って言われたから少し意地悪して「秘密」とか言ったんだけれど、なんだかんだ教えた。で、それが今日手元に届いたのだった。

パステルカラーがきれいなはがきだったけれど、「なーんだ文章かいてないじゃん」って思って裏を見たら小さい字でびっしり文章が書いてあった。これには先輩もホロってしちゃうよ。こんなに真っすぐ来られたら、わたしも思わず恥ずかしさで目をそらしちゃう。照れながら頬が緩くなった。お礼の文章かかなきゃな。そう、わたしは今日ゆさぶられたのでした。